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Japanische Klassiker mit Furigana

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しまでをかたる

死までを語る

直木 三十五

Lesen Sie 死までを語る (しまでをかたる) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.739 Zeichen · 85 Bildschirme

Aozora Bunko

立つと、玉造から、丁度、私の家の辺まで、七八町――大阪で有名な夜店である。

いつ頃か、一人で行くようになった時に、小遣銭として、二銭母がくれた。これが、小遣をもらった最初であるが、二銭を握って、三度位、七八町の間を往復したであろうか? そして、とうとう何も買わずに戻ってきた事があった。

この中で、本だけは、よく買ってくれた。その時分、道頓堀筋、日本橋東へ入る南側に、絵本屋があったが、そこへ行って、絵本を買うのが、唯一の楽しみで、当時一冊、三銭位であったであろうか、彩色した袋の中に入っていて、中は、馬糞紙の粗末なものであったが、それだけが、私の買ってもらった唯一のものである。

七

私が生れてから十年目に、弟が生れた。父が

「清二が生れよったさかい、いつまでも御前遊んでたら、何んならん、少し、うちの事手伝い」

と、ランプの掃除が、その第一の仕事になった。これは、前々から、私がやっていたらしいが、洋燈の掃除について、一寸も叱った事の無かった父が

「こら、汚い、もっと丁寧に掃除せんといかんがな」

と、叱るようになってきた。それから、子守。この子守は、母と二人で、大抵母が守をしてくれるが、夕方、骨屋町へ買物に行く時には、帰りに持ち物が増えるので、必ず私が母について行く事になった。