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Japanische Klassiker mit Furigana

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したいろうそく

死体蝋燭

小酒井 不木

Lesen Sie 死体蝋燭 (したいろうそく) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.917 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

「あの、和尚様」

と、彼はやっとのことで、声をしぼり出した。

「なんだ」

「今夜だけは……」

「ははは」

と、和尚の哄笑いする声が聞こえた。

「恐ろしいというのか。よし、それでは、わしもいっしょに行くから、ついて来い」

法信は引きずられるようにして和尚の部屋にはいった。

いつの間に用意したのか、書見していた和尚は、手燭の蝋燭に火を点じて、先に立って本堂の方へ歩いて行った。五十を越したであろう年輩の、蝋燭の淡い灯によって前下方から照し出された瘠せ顔は、髑髏を思わせるように気味が悪かった。

本堂にはいると、灯はなびくように揺れて、二人の影は、天井にまで躍り上がった。空気はどんよりと濁って、あたかも、はてしのない洞穴の中へでも踏みこんだように感ぜられ、法信は二度と再び、無事では帰れないのではないかという危惧の念をさえ起こすのであった。

正面に安座まします人間大の黒い阿弥陀如来の像は、和尚の差し出した蝋燭の灯に、一層いかめしく照し出された。和尚が念仏を唱えて、しばらくその前に立ちどまると、金色の仏具は、思い思いに揺れる灯かげを反射した。香炉、燈明皿、燭台、花瓶、木刻金色の蓮華をはじめ、須弥壇、経机、賽銭箱などの金具が、名の知れぬ昆虫のように輝いて、その数々の仏具の間に、何かしら恐ろしい怪物、たとえば巨大な蝙蝠が、べったり