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Japanische Klassiker mit Furigana

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しけいのまえ

死刑の前

幸徳 秋水

Lesen Sie 死刑の前 (しけいのまえ) von 幸徳 秋水 (こうとくしゅうすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.243 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

ことにわたくしのようなよわくおろかな者、まずしくいやしき者にあっては、のぞむべからざることである。

いな、わたくしは、はじめよりそれをのぞまないのである。わたくしは、長寿かならずしも幸福ではなく、幸福はただ自己の満足をもって生死するにありと信じていた。もしまた人生に、社会的価値とも名づけるべきものがあるとすれば、それは、長寿にあるのではなくて、その人格と事業とか、四囲および後代におよぼす感化・影響のいかんにあると信じていた。今もかく信じている。

天寿はとてもまっとうすることができぬ。ひとり自分のみでなく、天下の多数もまたそうである。そして、単に天寿をまっとうすることが、かならずしも幸福でなく、かならずしも価値あるものでないとすれば、われらは、病死その他の不自然の死を甘受するのほかはなく、また甘受するのがよいではないか。ただわれらは、いかなるとき、いかなる死でもあれ、自己が満足を感じ、幸福を感じて死にたいものと思う。そして、その生においても、死においても、自己の分相応の善良な感化・影響を社会にあたえておきたいものだと思う。これは、大小の差こそあれ、その人びとの心がけ次第で、けっしてなしがたいことではないのである。