Japanische Klassiker mit Furigana
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しいんのぎもん
死因の疑問
豊島 与志雄
Lesen Sie 死因の疑問 (しいんのぎもん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.260 Zeichen · 27 Bildschirme
」
何気ない言葉のやりとりから、遂に三上夫人は、一切のことを打ち明けてしまった。
以下は、三上夫人の話である。もとより、松永夫人との対話であって、こういう親しい夫人同志の対話は、ずいぶん機微にふれる露骨なこともあるが、また、肝腎な点を素通りしてしまうこともある。その対話を、三上夫人の話、というよりは寧ろ告白という形に、まとめてみたのである。
ああいうことになって、ほんとに惜しいことを致しました。いいえ、わたくしどもにとってではございません。あのひと自身のことを申すのです。
御存じの通りの娘で、顔立も可愛く、こぎれいで、いつもにこにこして、よく働いてくれますので、わたくしもずいぶん目をかけてやっておりました。家庭で働くというよりは、たとえて申せば、会社の女事務員とか、デパートの売子とか、そういう方面へも向くような人柄でした。或る時、ふと、そのことに触れてみますと、
「そのようなこと、きらいでございます。」
一言、きっぱりと答えました。
ふだんは無口な代りに、思ったことははきはき言う方でした。言葉遣いも、田舎から出て来た当座は、だいぶ訛りがありましたが、たいへん早く標準語に直ってしまいました。