Japanische Klassiker mit Furigana
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しご
死後
正岡 子規
Lesen Sie 死後 (しご) von 正岡 子規 (まさおかしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.756 Zeichen · 14 Bildschirme
半紙の嚢を(縦に二つ折りにしたのと、横に二つ折りにしたのと)二通りに拵えてそれにおが屑をつめ、其嚢の上には南無阿弥陀仏などと書く。これはつめ処によって平たい嚢と長い嚢と各必要がある。それで貌の処だけは幾らか斟酌して隙を多く拵えるにした所で、兎に角頭も動かぬようにつめてしまう。つまり死体は土に葬むらるる前に先ずおが屑の嚢の中に葬むらるるのである。十四五年前の事であるが、余は猿楽町の下宿にいた頃に同宿の友達が急病で死んでしまった。東京には其男の親類というものが無いので、我々朋友が集まって葬ってやった事がある。其時にも棺をつめるのに何を用いるかと聞いてみたら、東京では普通に樒の葉なども用いるという事であった。それからそれを買うて来て例の通り紙の袋を拵えてつめて見た所が、つめ物が足りなかった。其処で再び樒の葉を買うて来て、今度は嚢を拵えるのも面倒だというので、其儘で其処らの隙をつめて置いた。棺は寐棺であったが、死人の頬の処に樒の葉が触っているなどというのは、いかにも気の毒に感じた。昔から斯ういう感じがあるので、余は自分を棺につめられる時にどうか窮屈にない様に、つめて貰いたいものだと、其事が頻りに気になってならぬ。