Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ししゃをわらう
死者を嗤う
菊池 寛
Lesen Sie 死者を嗤う (ししゃをわらう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.234 Zeichen · 9 Bildschirme
啓吉は、懸命に努力して、群衆の中心へ這入る事が出来た。が、まだ自分の前には二三人、人が居て水面の一部をも覗き込む事は出来なかったが、大抵の様子は判った。死人は啓吉の立っている岸の直ぐ下の水中に在るらしい。そして巡査一人と、区役所の人夫が二、三人とで、しきりに引揚に掛っているらしかった。
「這入らなきゃ、駄目じゃないか。思切ってはいっちまえよ。そんな手附じゃ引っかかりこはないよ。」
と、一番形勝の位置に居る、橋の上の群衆は、盛んに人夫等を、指導している。が、その人夫達はなるべく手足を濡らさないように、なるべく汚い思いをしないように、なるべく労力を費やさないように、手際よく引揚を、試みているらしい。
その裡に群衆は、ますます殖えて行った。千人を超した群衆が、この橋を上流下流、四五十間の間ぎっしりと詰めかけている。が、その裡のホンの少数のみが、引揚作業を、目撃し得る位置にあったが、その人達は、自分の看ている事を、後方へ報告する義務を怠りはしない。
「男ですか、女ですか。」
「どうも女らしいですよ、今髪が見えたようですから。」
「こんな水の浅い川で死ねるのでしょうか。