Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のこされたるえど

残されたる江戸

柴田 流星

Lesen Sie 残されたる江戸 (のこされたるえど) von 柴田 流星 (しばたりゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.677 Zeichen · 80 Bildschirme

Aozora Bunko

まァさ、そう馬鹿にしないで、その無邪気と赤裸々とを買ってお貰い申したいものだが……。

心太と白玉

真夏真昼の炎天を、どこやらに用達しての帰るさ、路ばたの柳蔭などに荷おろして客を待つ心太やの姿を見る時、江戸ッ児にはそを見遁がして通ること却々に困難だ。

立ちよって一ト皿を奮発すれば冷たい水の中から幾本かを取出して、小皿に白滝を突き出し、これに酢醤油かけて箸を添えて出す。啜りこむ腹に冷たきが通りゆくを覚ゆるばかり、口熱のねばりもサラリと拭い去られて、心地限りなく清々しい。

江戸ッ児はその刹那の清々しさを買うに、決して懐銭を読む悠長をもたぬのである。

かれらはまた同じ心で夕暮の散歩に、氷屋が店なる「白玉」のビラを横目に見て通りあえぬ。紅白の美しい寒晒粉を茹上げた玉幾つ、これに氷を交えて三盆白をふりかけた奴を匙で口にした気持ち、それが食道を通って胃腑におちいた時には骨の髄までも冷さが沁入るようで、夏の暑さもサラリと忘れたよう、何が旨い彼が好いと言ってからが、この味いはまた格別。それにこうして胆ッ玉まで冷やすところなざァ江戸ッ児に持ってこいの代物、これでなくちゃァすべてがお話にならねえのだと誰やらに言わしたら拳固で鼻ッ面を横撫でするところだろう。