Japanische Klassiker mit Furigana
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のこされたるえど
残されたる江戸
柴田 流星
Lesen Sie 残されたる江戸 (のこされたるえど) von 柴田 流星 (しばたりゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.677 Zeichen · 80 Bildschirme
どうですえ、親方とか太夫とか、乃至は師匠とか言われてござる御仁、もちっと、何と骨を折って見てくれる気はねえものか知らんて!
お会式
毎年陰暦十月十三日、祖師日蓮の忌日を卜して執行の法会をお会式とはいい、宗徒は又おめいこうとて本山に参籠する。池上の本門寺、堀内のお祖師様など、江戸以来の霊場で、遠くは中山の法華経寺へも出かける。
この御会式、昔者は今よりも荘厳にものされた代りには、お籠りの男女、夜暗に互いのおもいを通わせ、日頃の恋をその夜に遂ぐるなど、とんだ粋ごとも行われて、あんまり一貫三百ただ取りでもなかったらしく、団扇太鼓の響きと共に、それよりして浮名の立ち初むるも多かったが、今は風俗上の取締り行届いて、この霊場を汚さんもの、皆無とはあるまいが大方尠うなった。
それ江戸ッ児の気勢いは御祭り騒ぎにしくものなく、妙法蓮華経の功力心願、それもこれも団扇太鼓の音、大万灯の賑わいに誘われてのこと、とばかりでは一向有難味も薄うなる勘定だが、案外に江戸ッ児は正直なところもあって、堂に詣って数珠爪繰る時には、一ト通りの敬虔と尊崇と帰依とを有し、南無妙法蓮華経の唱名も殊勝である。