Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さつじんめいろ

殺人迷路

夢野 久作

Lesen Sie 殺人迷路 (さつじんめいろ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.931 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

戸田自身にソンナ気がすると云ってよこしたんだがね」

「ウーム。サイアク、オククウ……逆様には読めないし……と……サイアク。ダイマク。カイサク。ナイカク。……トクキウ。ホクフウ……わからねえよ。ハハハ……」

「誰か君、星田の懇意な奴を知らないかい。親類でも何でもいい。妻君のほかに……」

「そりゃあイクラでも居るだろう。何とか云う雑誌記者と、いつもつながって歩いて居るって話だがね」

「ウン。その雑誌記者の名前を思い出してくれよ。雑誌は何だい」

「たしか淑女グラフだったと思うがね」

「そいつの名前は……」

「ウン。何とか云ったっけ……ウーン。山口じゃなし、大津じゃなし……と……エーット」

津村記者は全身にジットリと汗を掻き乍ら焦々と後退りをし始めた。急角度に折れ曲った狭い鉄梯子から何度も何度も辷り落ちそうになってヤット地面の上に足が付くと、今来た道を逆に通って表へ出た。……と思ううちに背後からパッと大光明が射して飛び上るようなサイレンを浴びせられた。大方第何版かを積んだトラックが出かける処であったろう……。

しかし彼はモウ驚く力もなかった。星田が捕まった事さえも当然の事と思えるくらい麻痺してしまった頭の片隅で、ただ無意味に「サイアク、オククウ」