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Japanische Klassiker mit Furigana

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さつじんめいろ

殺人迷路

江戸川 乱歩

Lesen Sie 殺人迷路 (さつじんめいろ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.041 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

津村は、相手の病気を心配しながらも、やっぱりそれを云わないではいられなかった。彼は別に病人の受け答えを期待していた訳ではなかった。半分は独言のつもりであった。ところが、蒼ざめた探偵作家は、それを聞くと、何故かムックリ顔を上げて、軽率な雑誌記者を叱りつけるように呶鳴った。

「イヤ、そうじゃないよ、君。あいつは今まで考えていたより、十倍も恐ろしい奴なんだ。不完全犯罪どころか、こんな完全な犯罪って聞いた事もない位だ」

ピリピリと、全身の末梢神経が躍っているような云い方であった。では彼は病気ではなかったのか。この犯罪の恐ろしさにうちのめされて、脂汗を流していたのだったか。

「だって、あれだけ証拠が残っていて、完全な犯罪って云うのはおかしいじゃないか。それとも君は、何か警察の連中の気附かない、全く別な考え方でもしているのかい」

「そうなんだ。あの連中は、まんまと一杯喰わされているんだ」

星田は待ち構えていたように答えた。蒼ざめた顔に不思議な情熱が漂っていた。

「どうしてそれを、君だけが発見したの? なぜ署長さん達に教えてやらなかったの?」

津村は半信半疑で、この小説家はやっぱり病気らしいなと疑いながら、でも激しい好奇心を抑えかねて、相手にすり寄った。