Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼしじょじょう

母子叙情

岡本 かの子

Lesen Sie 母子叙情 (ぼしじょじょう) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.355 Zeichen · 153 Bildschirme

Aozora Bunko

夫人が云ってる様子は、かの女に云っているのか、独白なのかけじめのつかないような云い方だった。

「奥さま、あなたはさっき規矩男を、なかなかしっかりしてると仰って下さいましたが、そう云って下さるお心持は有難うございますけれども、実際規矩男はやくざで、世間の評判もよくありません。中学や高等学校はよく出来たんですけれども、それからが一向纏まらないんです。多分、老後の父親が、つまらないことを死ぬまで云い聞かせて置いたためでしょう」

「それは規矩男さんからもうかがいました。でも、規矩男さんはいまそういうことに就いてだいぶ考えていらっしゃるようでございますが」漸くかの女は言葉を挟む機会を捉えた。「大丈夫だと存じますが……」

「そうでございましょうか。わたしはあれが、どうせ主人のようにはなれませんでも、わたくしは何とかしてあの子を、勤め先のはっきりした会社員か何かにして、素性のいい嫁を貰って身を固めさしてやり度いと思うのでございます。それには大学だけは是非出て貰わねばなりません」

かの女は夫人が、妻の自分にも子の規矩男にも夫の与えた暴戻なものに向って、呪いの感情を危く露出しそうになったのに、どうなることかとはらはらしていた。