Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼしじょじょう

母子叙情

岡本 かの子

Lesen Sie 母子叙情 (ぼしじょじょう) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.355 Zeichen · 153 Bildschirme

Aozora Bunko

「サヴォン・カディウム! サヴォン・カディウム!」ロザリも、おとなしいジュジュまでが立ちかかって手を出した。

むす子は可笑しさを前歯でぐっと噛んで、女たちの小さい反抗を小気味よく馬耳東風に聞き流すふりをしている。

「何ですの。サヴォン・カディウムって」とかの女はちょっと気にかかって左隣の芸術写真師に訊いた。

「ママンにサヴォン・カディウムを訊かれちゃった」明朗な写真師の青年は、手柄顔に一同に披露した。

女たちは、タイラントに対する唯一の苛めどころが見付かったというように、

「さあ、ママンに話そうかな、話すまいかな」と焦らしにかかった。

「ひょっとしてそれがむす子の情事に関する隠語ではあるまいか」こういう考えがちらりと頭に閃くと、かの女は少し赫くなった。

「訊かない方がよかった」「しかし訊き度い」

「何でもないじゃないか」とむす子はフランス語で女たちを窘めて置いて、今度はかの女に日本語でいった。

「カディウム・サヴォンというシャボンの広告が町の方々に貼ってあるでしょう。あれについてる子供の顔が僕に似てるというんです。随分僕を子供っぽく見てるんですね」

それから、むす子は女たちの方を向いて同じ意味の事をフランス語でいって、付け足した。