Japanische Klassiker mit Furigana
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ははおや
母親
若杉 鳥子
Lesen Sie 母親 (ははおや) von 若杉 鳥子 (わかすぎとりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.750 Zeichen · 16 Bildschirme
その晩もとうとうまた彼は始めた。
みを子は兄が山崎のことをいってる間は、黙ってる方がいい――と思っていた。しかし話が組合のことに触れてくると、もう黙ってはいられなくなったのだ。
「何故そんな訳の解らないことをいうの兄さん――私たちは、ちゃんと職場を持っているんですよ。」
みを子は兄の僭越と無理解とに腹が立った。
「兄さんこそ、兄さんこそ、大きい工場に働いていながら独りぼっちで、向こうのいうなり次第になってるじゃないの、長い長い見習期間を、少しばかりの月給貰って、くる日もくる日も唐草ばかり彫って……」
みを子が唐草というのは、紙幣の図案の一部分のことだった。
「――私たち生活をよくするには、ただ一つの道しかないんですよ、ダラ幹のいない、一番闘争的な組合に入って、団結して闘うより仕方がない……」
「誰に教わったんだッ生意気なッ。」
兄の手先は、怒りの為に細かく慄えていた。
「私たちの方には、全協一般使用人組合がある。兄さんの方にも出版労働って組合がある。組合は闘争的な加入者のある処だったら、百貨店だって何処だって、職場、職場へどしどし組織の手を伸ばします……」