Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どくガスはつめいかん

毒瓦斯発明官

海野 十三

Lesen Sie 毒瓦斯発明官 (どくガスはつめいかん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.511 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

そうなると、醤は落ちついていられなくなって、毎日のようにここに足を運んだ。

「おい燻精。まだ例の神経瓦斯は出来ないか。出来たら、余に早く見せてくれ」

「醤委員長よ。今度こそすばらしいものが出来ますぞ。瓦斯密度が一・六〇〇〇四です。理想的な密度です。おどろいたでしょう」

「一・六〇〇〇四? よくわからないねえ」

「精密なること、金博士の製品を凌駕しています。かかる精密なる毒瓦斯は……」

「精密よりも、効目の方が大切だぞ」

「いや、この精密度なくして、あの忍耐力のつよい敵兵を斃すことは出来ん。あ、また霊感が湧いた。おおそうか、この毒瓦斯に芳香をつけるのだ。鰻のかば焼のような芳香をつけるのだ。無臭瓦斯よりもこの方がいい。敵は鼻をくんくんならして、この瓦斯を余計に吸い込むだろう。ああなんというすばらしい着想点だろう! 鰻のかば焼の外に焼き鳥の匂い、天ぷらの匂い、それからライスカレーの匂い等々、およそ敵兵のすきな香を、この毒瓦斯につけてやろう。なんと醤委員長、すばらしい発明ではないですか」

「なるほど、積極的吸入性のある毒瓦斯じゃな」

醤は、にやりと笑って、燻精院長の手をしっかと握った。