Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どくガスはつめいかん

毒瓦斯発明官

海野 十三

Lesen Sie 毒瓦斯発明官 (どくガスはつめいかん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.511 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

「もちろん本当です。国破れて洋酒ありです。尤も早いところストックにして置いたのですがね……しかし博士、毒瓦斯の方のことですが……」

「うん、毒瓦斯なんて、他愛もないものじゃ。ウィスキーになると、そうはいかん」

「いや博士、ウィスキーなんて浴びるほどあります。毒瓦斯の研究となると、そうはいかん」

「よろしい、バーター・システムで取引しよう。一体どんな毒瓦斯が入用か。フォスゲン、ピクリンサン、ジフェニルクロルアルシン、イペリット、カーボンモノキサイド、どれが欲しいかね」

下は人工灯の海、上は星月夜、そして屋上は真暗だった。その真暗な屋上に立って、金博士は大きく両手をひろげる。

「そんなものは、どれも欲しくありません」

醤は人一倍大きな頭を左右に振る。

「ほう、これじゃ気に入らんのか」

「博士。余――いや私の欲しいものは、そんな従来から知れている毒瓦斯ではありません。そんな毒瓦斯は、吸着剤の活性炭と中和剤の曹達石灰とを通せば遮られるし、ゴム衣ゴム手袋ゴム靴で結構避けられます。そういう防毒手段のわかっている毒瓦斯は、今じゃどこへ持っていって撒いても、効目がありません。