Japanische Klassiker mit Furigana
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みずのしたのいし
水の下の石
山本 周五郎
Lesen Sie 水の下の石 (みずのしたのいし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.791 Zeichen · 28 Bildschirme
のだが、当の小弥太はまるでそんな気概はないようだった。――やっぱりあごはあごだけのものか、大七がそう呟いたのは悪口ではなく寧ろ友情の鞭だったのである。けれども小弥太にはそれさえ痛痒を与えなかったようだ。大七はつかみどころのない小弥太の横顔をねめつけ、もうひと言どなりつけようとしたのをやめて、自分の列へと戻った。
夜はしらじらと明けてきたが、林野は濃い乳色の霧にとざされて十歩さきもおぼろにしか見えなかった。すでに予定の位置についていた竹沢隊は、午前四時、追手のあたりにあがった杉浦隊の狼火を合図に、銃撃をもって敵に戦いを挑んだ。……前夜の深更に、うっかり鳴子に触れたので、敵には防戦の構えができていると思った、しかしそのようすはなくて攻撃はまさしく意表を衝いたとみえる、府中城を迂回してここまで突っ込んで来ようとは予想もしなかったのであろう、卒如として向背に銃射を受けた城兵は、まるで逆上したもののように斬って出た。寄手には思う壺である、後退するとみせてこれをおびき出し、濃霧の中へひき込んで人数を分散させつつ押し包んでは討った。早朝の光りを含んだ