Japanische Klassiker mit Furigana
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みずのしたのいし
水の下の石
山本 周五郎
Lesen Sie 水の下の石 (みずのしたのいし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.791 Zeichen · 28 Bildschirme
三
三
時は天正三年六月はじめのことである。その年の五月、徳川家康は織田信長の協力を得て、武田勝頼と三河のくに長篠に戦い、これをうちやぶって敗走させると、駿遠の地から武田氏の勢力を駆逐すべく、鉾をめぐらして二俣城を討ち、光明寺をやぶり、転じて諏訪ノ原へと陣を進めた。そこは今福丹波守を主将として諸賀一葉軒、小泉・海野・遠山など武田家に名ある武将が堅固に守っていたし、大井川を越えた駿河にはそのうしろ備えとして幾多の城砦がある、家康本陣では攻撃にさきだってまずそのうしろ備えを叩く必要を感じ、旗本から三隊の兵をわけてひそかに駿河へ侵入せしめ、敵の後方攪乱と兵力の分散を謀ったのである。……鳥居元忠の手からは杉浦藤八郎と竹沢図書助とが選まれて興福寺城の攻略に当った、それは遠く府中城より東へ十余里もはいった駿東郡の足高山麓にあり、小城ではあるが深さ二丈、幅三十間の濠をぐるっと周囲にめぐらした要害の地を占め、土屋善左衛門が五百の精兵をもって守備していた。杉浦、竹沢の二隊は折から降りつづく霖雨のなかを三日二夜、不眠不休の強行で間道づたいに侵入し、追手と搦手から、同時攻撃の軍配で、その部署についた