Japanische Klassiker mit Furigana
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すいばんのおうさま
水盤の王さま
小川 未明
Lesen Sie 水盤の王さま (すいばんのおうさま) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.953 Zeichen · 4 Bildschirme
三びきの金魚の入ってきたのをあまり気にも止めないようすで、前からいた一ぴきの金魚は、長い間すみ慣れた水盤の中を、さも自分の家でも歩くように泳いでいますと、ふいに不遠慮な一ぴきが横合いから、その金魚をつつきました。
「あんまり威張るものでない。だれの家と、きまったわけではないだろう。そんなにすまさなくてもいいはずだ。」と、ののしるごとく思われました。
前からいた金魚は、相手にならないで、やはりすましたふうで泳いでいますと、乱暴者は、ますます意地悪くその後を追いかけたのです。こんな有り様でありましたから、いつしか五ひきの小さな金魚は夜のうちに、みんな乱暴者のために殺されてしまいました。一月ばかり後まで、生き残っていたのは、前からいる金魚と乱暴者と、もう一ぴきの金魚と、わずかに三びきでありました。
「兄さん、金魚は弱いものね。今度死んでしまったら、もう飼うことはよしましょうね。」と、妹はいいました。
「ああ、金魚よりこいのほうが強いかもしれないよ。」と、兄は答えました。
「兄さん、こいを買っておくれ、毎晩、夜店に売っているから。」と、末の弟がいいました。
その日のことであります。