Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
すいま
水魔
田中 貢太郎
Lesen Sie 水魔 (すいま) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.727 Zeichen · 24 Bildschirme
※(ローマ数字3、1-13-23)
※(ローマ数字3、1-13-23)
山西は区役所の傍の×××バーで脅迫した女の尋ねて来るのを待っていた。帳場の上にかかった八角時計の針の遅遅として動いて往くのに注意したり、入口の青い帷を開けて入って来る客に注意したりした。時計の長針は十時の処を指していた。
……もうあと十分だぞ、やって来るかなあ、と、彼は考えながら無意識に胸元に眼をやった。絹大島の羽織に著けた茶の平紐の右の附け根に結びつけた赤いリボンが花のように見えた。彼はその眼をまた入口の方へやった。セルの袴を穿いた背の高い学生が出て往くところであった。……ついすると、待合へ往っていて、婢でも呼びによこすかも判らないぞ、と、彼はまた思った。
昨夜噴水の傍で見失った小女のことがまたしても浮んで来た。彼の心は往くともなしにそのほうへ往った。青い帷にするような友禅模様の羽織と、くっきりと白い顔が見えるように思われた。……それにしても、どうしていなくなったのだろう、まさか消えて無くなったではあるまいが、と、彼は不意に消えたようにいなくなった小女の奇怪な挙動を考えてみた。
彼は椅子の手擦へ凭せた隻手の甲の上に、口元に黄金を光らした頬を斜に凭せるようにしていた。