Japanische Klassiker mit Furigana
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みずとりてい
水鳥亭
Lesen Sie 水鳥亭 (みずとりてい) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.705 Zeichen · 62 Bildschirme
餞別にそっくりタダで差上げたいのは山々ですが、私も焼けだされだから、そう気前よく出来ないのが残念です」
「近代戦の上陸地点の激戦の跡というものは、満目荒涼、山の形も川の流れも変るでしょう。草も木も、小鳥も虫も、何もありません。どこに伊東の町があったか、見当もつかないでしょう。あなたの地所が川か沼にならなければ幸せというものですな。温泉町として復活するにも二十年はかかるでしょう。そのころは、私は死んでいるでしょうな」
亮作は、また、残酷に笑った。
「すると、日本は亡国ですな」
野口はやりかえした。
「すべてを失った後に於て、日本は勝ちます。太古にかえり、太虚に至って、新世界の黎明が現れます。日本は太虚であり、太陽であり、新世界の盟主です。記紀に予言されたところであり、歴史的必然です」
「そうあって欲しいものですよ。ところで、梅村さん。穴の中に隠れてくらすにしても、人間は何か食わずには生きられませんよ。穴の中の生活に配給はありませんぜ。自分の畑がなくて、あなた、どうなさる。この畑には、鶏小屋も鶏も附属していますぜ。日本の現状に於ては、まさに王侯じゃないですか。