Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こおりぐらのにかい
氷蔵の二階
宮本 百合子
Lesen Sie 氷蔵の二階 (こおりぐらのにかい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.201 Zeichen · 37 Bildschirme
「まあ! ステイキ?」
志野は、房のすることを、少しびっくりしたように眺めていたが、美味そうに粉をふいた馬鈴薯まで添えてあるビーフステイクを見ると、始めて本気な興味を示して感歎した。
「あなたったら――とてもハイカラになっちゃったのね。須田さんて、そんなハイカラな家だったの?」
「そんなことないけど……」
房は、働いたのと、友達を望み通り楽しく不意打に成功した満足とで、元気よく挙動した。
「さあ、たべない?」
志野は、清汁の味を賞め、肉の焙(や)き方が上手だと云って、亢奮し、食べ始めたが、半膳も進まないうち、どうしたのか不意に箸を置いてしまった。房は、愕(おどろ)いて自分もやめた。
「どうして――何かあった?」
見ると、志野はまるで上気(のぼ)せ、今にも泣き出しそうになって自分を見つめている。房は、あわてて傍にすり寄った。
「どうしたのよ! 本当に」
「何でもないの、――何だか私――」
無理に笑おうと努め、やっと早口に、
「変に悲しくなっちゃった!」
と云うや否や、志野はいきなり両方の眼からポロポロ涙をこぼした。涙をこぼしながら、彼女は片端からそれを拭き、極り悪そうに微笑んだ。