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Japanische Klassiker mit Furigana

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme

Aozora Bunko

さりとて余りに接近するのも不安であった。つづめて言えば、不即不離というような甚だあいまいな態度で、二人の関係を相変らず繋ぎ合わせて行こうと考えているのであった。恋に対してこうした不徹底な態度を取るということは、決して相手を満足させる方法ではなかった。お絹の胸にいろいろの疑いや妬みの芽をふくのも無理ではなかった。

今夜もそのおそろしい眼と向き合っている。

林之助が努めて相手の視線の外に逃がれ出ようと顔をそむけているのも、彼としてはまことによんどころない事情であった。それが久し振りで逢ったお絹にはなんだか物足りないような、疑わしいもののように思われてならなかった。

二人は又しばらく黙っていた。縁の下では虫の声がきこえた。

四

「林さん。お前さん、お互いにこうしていては詰まらないとお思いでないかえ」

お絹はしずかに煙管をはたきながら、またしても男のこころを探るような疑いぶかい眼をして訊いた。林之助もまともに向き直らないわけにいかなくなった。

「つまる、つまらないの論じゃない。いつも言う通り、今がお互いの辛抱どきだ。そりゃあこうして離れていれば、おれだって寂しいこともある。