Japanische Klassiker mit Furigana
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme
※(歌記号、1-3-28)今じゃ銚子の風もいや……
唄の声がふるえながら消えると同時に、彼女は尾の先きをつかんで、ずるずると手首から引きほどかれた。
「君ちゃん。お前、知っているだろう。こうして、こうするんだよ」
尾をつかまれた蛇は縄をわがねたように円を描いて、空を二つ三つ舞ったかと思うと、その持ち主の細い頸にくるくるとまき付いた。お絹はお君を見返ってにやりと笑った。お君は身を固くしてじっと見つめていた。
「さあ、いいからお帰り」
第三の蛇もお絹の頸を離れて、もとの箱の穴へ追いやられた。
「あたしが死んだらば、お前もやっぱりこの商売になるかえ」と、お絹は訊いた。
「あたし、巳年でないから駄目ですわ」
「そうとも限らない。お若だって巳年じゃないけれど……」と、お絹は考えていた。「だが、まあ、止した方がよかろうよ。こんな商売するもんじゃない。あたしだって、こんな商売でなけりゃあ男に愛想をつかされなかったかも知れない。だけれども、あたしがいなくなると、おまえは家へ帰らなけりゃなるまい。可哀そうだね」
お君は両袖で顔を掩いながら啜り泣きをはじめた。
「おっかさんが違っているんだからね。