Japanische Klassiker mit Furigana
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じんちょうげ
沈丁花
宮本 百合子
Lesen Sie 沈丁花 (じんちょうげ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.478 Zeichen · 19 Bildschirme
各々の言葉がその人らしくはる子は面白いと思いつつ、千鶴子の癪にさわった気持も分った。
「そう簡単明瞭には行かないわね」
然し、話すうちに、はる子には二三疑問が湧いた。
「あなた×氏には書いたものでもお見せになったの?」
「見ていただきました。――短いものでしたが褒めて下さいました、そして、一二年みっしり努力すれば作家としてちゃんと立って行けると云って下さいました」
「それなら、どうして――例えばこの間のような時、×社で仕事を見つけて下さるようには出来ないの?」
「人があまっているから仕事はない、けれども生活費なら暫く出してやってよいと仰云るのですけれど――それに×氏は初めそんなに云って下すったきり、ちっとも後はおかまいにならないのです。御自分が文壇に出るに苦労なすったから却って」
他に感情の衝突らしいものもある話であった。
「一人の人間の心をそんなに傷めるのは、何と云っても先生の不徳だと思います」
或る時、はる子はそのような話の後千鶴子に云った。
「あなた本当にいい仕事をしたいとお思いんなるなら一つ暮し方を更える必要があるわね。自分がこうと思い込んだ先輩一人をきめて、その人に対しては自分の真実をつくして対して行くか、さもなければ、一人っきりになってぐんぐん自分の内に入って行くか――。