Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
じんちょうげ
沈丁花
宮本 百合子
Lesen Sie 沈丁花 (じんちょうげ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.478 Zeichen · 19 Bildschirme
うことは、はる子にも考えられた。けれども――先に貰った他の手紙を、はる子は思い出した。それに、自分は平常どんなに反感を抱いている人の仕事でも云々。また、あなたに愉快な反感を感じると云うようなことがあった。今、はる子の心に、それ等の言葉が心理的に必然な連絡をもって甦って来た。千鶴子は、自分が好きでもあるのだ。また嫌いでもあるのだ。その相反撥する感情に苦しめられた揚句、圭子が癪に触ったにかこつけ、はる子への悪態もかねて爆発してしまったのではあるまいか。千鶴子は、圭子と調和しようと努めたが不可能と知ったと云っているが、その陰に、はる子に対して調和しようとしたがと云う感情もかくされているのではあるまいか。人間の微妙な心! はる子の内心にある千鶴子に向って二つに破れて合わぬ感情、それが千鶴子にも在ったのだ。はる子が努めて彼女を容れれば容れる程、千鶴子の反感は二重三重に募って来、終に持ちこたえられなくなったのであろう。
はる子は陰鬱になり、圭子が見ないようにその手紙を裂きすてた。千鶴子が、自分に対する複雑な反感を潔よく現し、真直罵るなり何なりしたら、却って心持よかったとはる子は遺憾に思った。