Japanische Klassiker mit Furigana
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
Lesen Sie 沙漠の古都 (さばくのこと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.076 Zeichen · 220 Bildschirme
博士とラシイヌとは肩を並べ沙漠を的なく逍遙いながら、感慨深そうに話し合った。
「あなたを印度からお呼びしてわざざわざ参った甲斐もなく探検は失敗に終りました。あなたに対してもお気の毒で済まないことに思っています」
「いやいや」と博士は打ち消した。「私に斟酌は無用じゃよ。かえってあんたにお気の毒じゃ。さぞまあ落胆したろうが、これも一つの運命じゃ」
「それにしても博士、地下などに、ほんとに都会があるものでしょうか?」
「沙漠のことじゃ、そんなことも、全然ないとは云われまい」博士はちょっと考えてから、「つまり沙漠は文明の墓じゃ。死んだ者ばかり住んでいるところで、人界でもあることだが仮死の状態の人間をうっかり死んだと誤認して墓に持ってくることがある。それとそっくり同じで沙漠の暴風が一晩吹いて、砂上に出来ている大都会を一夜に葬ることがあるが、葬られながら尚地下で生きていないとも限らない」
「そうかと思うと一夜のうちに、暴風が砂を吹き上げて、埋没した都会を一瞬間に地上へ出すということを何かの本で見ましたが、そういうこともあるのでしょうね?」
「そういうこともあるそうだ」