Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さばくのうた

沙漠の歌

国枝 史郎

Lesen Sie 沙漠の歌 (さばくのうた) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.571 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

幾時間眠ったか知りませんが私はフッと眼を醒ましました。家中みんな寝静まったと見えて四辺は森然と静まり返えり時々遠い沙漠の方から豹の吠え声が聞えるだけです。

その時突然どこからとも無く、微妙な音色が聞えて来ました。全く微妙な音色でした。嵐と熱砂と猛獣とに占領されているこんな沙漠では到底聞くことの出来難い、真に神韻漂渺とした音楽の音色でありました。

私は思わず起き上りました。と、何うでしょう其の美しい楽器の音色に交わって、哀調を含んだ人間の声が聞えて来るではありませんか。

私は遂々立ち上りました。

立ち上った私を招くかのように怨と悲とを織りまぜたようなその人間の歌声は――それは乙女の声でしたが――益々調子を高く張りいよいよ間近かに聞えて来ました。恰も魔物に魅せられたように、私はその音の聞えて来る方へ、スルスルと歩いて行きました。

寝室を出で小屋を出で、夜の戸外へ立ち出でました。

立木の間に幾個かの小屋がまばらに立って居ましたが、楽器の音色と乙女の声とは夫れらの小屋の内からは来ずに、それらの小屋を遥かに越した林の中から来るのでした。私は林へ行きました。