Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かわあかり

河明り

岡本 かの子

Lesen Sie 河明り (かわあかり) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.244 Zeichen · 98 Bildschirme

Aozora Bunko

ひょっとしたら、他に秘密な女でもあって、それに心が断ち切れないのではあるまいか。

或は、この世の女には需め得られないほどの女に対する慾求を、この世の女にかけているのではあるまいか。

或は、生れながら人生に憂愁を持つ、ハムレット型の人物の一人なのではあるまいか。

女のよきものをまだ真に知らない男なのではあるまいか。

こういうことを考え廻らしている間に、憐な気持ち、嫉妬らしい気持、救ってやり度い気持ち、慰めてやりたい気持ち、詰ってやり度い心持ち、圧し捉まえてやり度い心持ちが、その男に対してふいふいと湧き出して来て、少し胸が苦しいくらいになる。恐らくこれは当事者の娘が考えたり、感じねばならないことだろうにと、私は私の心の変態の働きに、極力用心しながら、室内の娘を見ると、いよいよ鮮かに何の屈托もない様子で、歌留多の札を配っている。私はふと気がついて、

「あの女は、自分の愛の悩みをさえ、奴隷に代ってさせるという世にも珍らしいサルタンのような性質を持っている女なのではあるまいか。」

そして、それを知らないで、みすみすその精神的労苦を引受けた自分こそ、よい笑われものである。