Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

かわあかり

河明り

岡本 かの子

Lesen Sie 河明り (かわあかり) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.244 Zeichen · 98 Bildschirme

Aozora Bunko

「まあ、この上に腰を降ろして頂きましょうか」

そして彼は巻莨を取り出して、徐ろに喫っていたが、やがて、私から少し離れて腰をおろして口を切りだした。海を放浪する男にしては珍らしく律儀な処のある性質も、次のような男の話で知られるのであった。

「お手紙で、あの娘と僕とにどうしても断ち切れない絆があることは判りました。実はその絆が僕自身にも強く絡わっていたのがはっきり判ったのでご座います。それをご承知置き願って、これから僕の話すことを聞いて頂き度いのです。でないと、僕がここへ来て急に結婚に纏まるのが、単なる気紛れのように当りますから」

彼は、私が大体それを諒解できても、直ぐさま承認出来ないで黙っているのを見て取ってこう云った。

「僕と許婚も同様なあれと僕との間柄を、なぜ僕がいろいろと迷って来たか、なぜ時には突き放そうとまでしたか、この理由があなたにお判りになっていらっしゃらないかも知れませんが……いやあなたばかりではない、あれにもまだ判っていない……」

彼はしまいを独言にして一番肺の底に残して置いたような溜息をした。私は娘の身の上を心配するについての曾ての焦立たしい気持ちに、再び取りつかれ、ついこういってしまった。