Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かわあかり

河明り

岡本 かの子

Lesen Sie 河明り (かわあかり) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.244 Zeichen · 98 Bildschirme

Aozora Bunko

がある。安政時代、地震や饑饉で迷子が夥しく殖えたため、その頃あの界隈の町名主等が建てたものであるが、明治以来殆ど土地の人にも忘れられていた。

ところが、明治も末に近いある秋、このしるべの石の傍に珍らしく捨子がしてあった。二つぐらいの可愛らしい男の子で、それが木下であった。

その時分、娘の家の堺屋は橋の近くの西河岸に住宅があったので、子のない堺屋の夫妻は、この子を引き取って育てた。それから三年して、この子が五つになった時分に、近所に女中をしていた女が、堺屋に現れて、子供の母だと名乗り出た。彼女は前非を悔い、不実を詫びたので、堺屋ではこの母をも共に引き取った。

母は夫と共に日露戦役後の世間の好景気につれ、東京の下町で夫婦共稼ぎの一旗上げるつもりで上京して来た。そういう夫婦の例にままあるとおり無理算段をして出て来た近県の衰えた豪家の夫妻で、忽ち失敗した上、夫は病死し妻は、今更故郷へも帰れず、子を捨てて、自分は投身しようとしたが、子のことが気にかかり、望みを果たさなかった。そして西河岸の同じ町内に女中奉公をして、陰ながら子供の様子を見守っていたのだった。