Japanische Klassiker mit Furigana
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かわはぜ
河沙魚
林 芙美子
Lesen Sie 河沙魚 (かわはぜ) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.653 Zeichen · 24 Bildschirme
「伊藤さんも、このごろ、少し、気が変って男の子がいいと云うのさ……」
私の子供は器量が悪いから駄目だったのだとは云いづらかった。乳もよく出るのではあったけれども、どうせ手放す子供なら、早くした方がいいと云うので、生れるとすぐ乳は放してしまった。そのせいか、小さい躯は皺だらけで、痩せた握りこぶしをふりあげている恰好は哀れで見ていられなかった。親指を内側にして、しっかり握りこぶしをつくっているので、湯をつかわせる時には、握りこぶしのなかに、袂ぐそのような汚れたものをつかんでいた。
「やっぱり、金でもつけねえと駄目か……」
千穂子はふっと涙が突きあげて来た。腰の手拭で眼をこすった。
隆吉が兵隊に行って四年になる。千穂子との間に、太郎と光吉と云う子供があった。あとに残った千穂子は、隆吉の父親の与平の家に引きとられて暮すようになり、骨身をおしまず千穂子は百姓仕事を手伝っていた。そのままでゆけば何でもないのであったけれど……。千穂子は臆病であったために、ふっとした肉体の誘惑を避けることが出来なかったのだ……。一度、躯を濡らしてしまえば、あとは、その関係を断ち切る勇気がなかった。