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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほうえつクラブ

法悦クラブ

野村 胡堂

Lesen Sie 法悦クラブ (ほうえつクラブ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.176 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

大破局

私は渋谷の八公の銅像の前へ六回立ちました、が、あの自動車は影も見せてはくれません。砧の木立の中の家へも、幾度か行って見ましたが、六ヶ月前まで貸した人は何処か遠いところへ行った相で、近頃ではまるっ切り違った人が入って居ります。私達を乗せてくれた自動車の番号を調べると、それは渋谷駅近い自動車屋のハイヤーで、いかにもヴェールで顔を包んだ女の人を、時々乗せたことはあるが、あの時の運転手も居ず、どんな人か名も所も知って居るわけは無いという、至極冷淡な挨拶です。

「私は一体どうしたら宜いでしょう、――全く途方にくれてしまいました」

佐々村村一は力尽きた様子で、深々と自分の椅子に倒れ込みました。

大破局

「非常に面白い。女の声の美しさに、エクスタシーを感じたという節は、デカメロンにも聊斎志異にも無いことですが、――失礼ですがそれは、佐々村君の創作では無いでしょうか、創作であっても、非常に面白い話には違いないのですが――」

法悦倶楽部の会長茶谷金弥は、愛想の好い顔を振り仰いで、話し手の佐々村村一に問いかけました。

「残念乍ら、全部が真当の事です、私は小説家ではないのですから、こんな筋を細々と作る才能はありません」