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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほっけそうのかいい

法華僧の怪異

田中 貢太郎

Lesen Sie 法華僧の怪異 (ほっけそうのかいい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.323 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

「あなたは昨夜、何か変った物を御覧になりませんでしたか」

「変ったもの」

名音はすぐ法華僧の事を思いだした。

「法華僧ですか。見ましたよ、あれを御存じ」

名音の声は刺々しかった。

「では、とうとう御覧になりましたね」

「見ましたよ、あれは貴女の何ですか」

「では何も彼も一切お話しいたします」

「では、やっぱり、彼の人は、貴女の」

「そうですよ。でも、もう此の世の人でありませんから」

「まあ」

「私は罪の深い女でございます。私は死ぬほどの苦しみを受けなくてはなりません」

「では病気ではないのですね」

「死霊の祟でございます。私はどんなに後悔しているか知れません」

玉音は地主の娘に生れて従兄弟の弁護士と結婚した。夫婦の間には二人の娘まで出来て、家庭は至極円満であったが、ふとしたことから囲碁に興味を持って、素人碁客の間では評判になるようになった。そうなると、自分の家ばかりでは満足ができなくなった。彼女は碁会でもあると出かけて往って、終日帰らない事があった。

恰度其の比、旦那寺の住職が変って新住職が挨拶に来た。新住職は三十四五の色の白い男で、愛碁家らしいので、早速対局してみると、素人碁客ではあるが彼女よりは遥に強かった。