Japanische Klassiker mit Furigana
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うたかたのき
泡沫の記
久生 十蘭
Lesen Sie 泡沫の記 (うたかたのき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.889 Zeichen · 26 Bildschirme
「王がここで、毎夜、耽溺している千滴のローダノムはかねて欧洲中の宮廷で評判になり、ゆるしがたい「悪癖」として、きびしく指弾され、そのゆえに評判を悪くしていたものだったが、それは、罪深い怠惰な悦楽を追究するためではなく、議会の法王派が、口を極めて罵るような悪魔的なものでもなかった。この十年の間、王は皮膚と神経に撰択的に病変を起す、増殖性炎衝に悩んでいたと思われるふしがあるが、ローダノムというものが、人のように、内的世界のあらゆる苦痛にたいする万能薬、ファルマコン・ネペンチース(鎮静治療霊薬)なのなら、王は、残酷な神経の痛みと、救い難い悲惨な境遇を忘れるために、ローダノムの本質にしたがって、最も適切な使用法に服していたというべきなのである」
増殖性炎衝とは、どんなものなのか。
ルウドイヒ二世については、一九一九年にジャック・バンヴィルが、二二年にボームが、二六年にウルフが、二九年にエレンベルグが書いているが、誰も、この点に触れていない。ただ、ギイ・ド・プゥルタレスが「ルイ二世、又はハムレット王」(一九二九年)の中で、
ヨブのような、
と、一言、遠まわしに仄めかしているだけである。