Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はたのてい

波多野邸

豊島 与志雄

Lesen Sie 波多野邸 (はたのてい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.194 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

ところが、波多野洋介はこの研究所を全然無視する態度を取った。そちらへ足を向けず、そこにある書物を一冊も読まなかった。彼は自分の八畳の書斎に若干の書物を持っていたし、なお読みたい書物は友人から借りてきた。友人が文化研究所のことを言うと、彼は例の通りぼんやりと答えた。

「あれはどうも、僕のものではないようだ。」

茲に、なお一つ私の観たところを附け加えておくが、彼はすべてのことを甚だ漠然としか言わなかったけれど、その背後には、明瞭な、ややともすると烈しいほどの、好悪の念があったようだ。好きだか嫌いだか、それが根本の問題で、あとはただ漠然とした言葉となって現われた。だから表面上、彼は多くのことに無関心のようにも見えた。

やがて彼が、文化研究所を高石老人の家に移転さしたい、さもなくば閉鎖したいと、漠然とではあるが強硬に言い出したことは、周囲の人々を驚かした。

それから、これは一部にしか知られていないことだが、彼は酒場「五郎」のある建物を買い取った。戸村直治のひそかな斡旋によるものだった。刳貫細工物の問屋は多年の不況で、その建物を売りたがっていたのである。そして売買は行われたが、表面上は変化なかった。