Japanische Klassiker mit Furigana
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Lesen Sie 泣虫小僧 (なきむしこぞう) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.906 Zeichen · 70 Bildschirme
勘三は、唇紅の濃い姉の姿をさっきからじろじろ眺めていた。心のうちで、三十にもなれば後家も中々辛いだろうと、変に同情してしまっている。
「ま、姉さんが、それでうまく行くんなら置いてらっしゃい」
と、言うより仕方がなかった。
眠っている礼子を背負って、姉の貞子が電車賃も借りずに帰って行くと、寛子は、わっと声をたてて泣いた。
「あんなひとってありゃアしない! 自分の勝手の時ばかり子をあずけに来てッ、貴方がなめられているからじゃないのウ」
「何もなめられてやしないよ。女房の姉さんじゃないか、どうしても駄目ですとはいいきれないよ」
「莫迦にされてンのよッ!」
「莫迦にされたっていいじゃないかッ、泣く奴があるか、莫迦ッ! 早く飯にしろッ」
勘三は懐から色々な原稿の束を出すと、一枚を引き破ってばりッと鼻をかんだ。啓吉は小さくなってそれを見ていた。伸一郎は遊びに行っているのかな、早く帰らないのかなと、じいっと坐ったまますすりたい鼻もようすすらないでいる。
四人も姉妹がいて、どれも命細々長らえている生活なのかと思うと、寛子は台所をしていても、はアと溜息が出た。
「ま、仕方がないよ、いまに俺だってこの状態じゃいないし、根気でゆくより仕様がないよ。