Japanische Klassiker mit Furigana
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Lesen Sie 泣虫小僧 (なきむしこぞう) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.906 Zeichen · 70 Bildschirme
二十四にもなって、別に処女を大事にしてるってのじゃないけど、いまさらその辺へ一寸安々捨てられもしないし……」
「もてあましている?」
「全く、本当にそうなのホホ……」
「厭なお菅ちゃんだ……。ところで、父さん、どうしたんだろう? 遅いわねえ」
伸一郎は、早、寛子の膝を枕に眠りこけている。隣家では時計が十時を打った。
「昨日も電話があったけど、ねえ、本当に困るンなら、私が明日連れてって、姉さんの容子、どんな風か見てこようか?」
「拝むわ、そうしてよ、何だか虫が……」
好かないと言おうとしたが、啓吉が、痩せた影をしょんぼり壁に張りつけさせて、叔母達の話を聞いているので流石に寛子も言葉を濁した。
「啓坊が一番苦労するね」
菅子が、そういって立ちあがった。朽葉色の靴下が細っそりしていて、啓吉の目に美しく写った。
「じゃ、そろそろ帰ろう……啓坊連れてきましょうか?」
「頼むわ」
寛子は、襯衣のない啓吉が風邪を引くといけないといって、勘三の縮んだ夏襯衣を、啓吉の下着に着せてやった。
「さア、子供のうちは、何でもいいッと、じゃ、二三日してまた来ます。義兄さんによろしく。大金が這入ったら、それこそ安香水でも買ってね」