Japanische Klassiker mit Furigana
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Lesen Sie 泣虫小僧 (なきむしこぞう) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.906 Zeichen · 70 Bildschirme
「そンなに淋しがるな、ええ? 叔父さんだって、なんじゃ、もんじゃだ。判るかい? 面白いだろう。淋し淋しっていうンだ。しっかりしろ!」
しっかりしろといわれても、中々しゃっくりは止まらなかった。
「変なしゃっくりだなア、ぐっと息を呑み込んで御覧よ。ぐっと大きく……」
コロッケ屋と花屋の前へ来てもしゃっくりが止まらなかった。勘三の家では伸一郎が万歳をして迎えてくれた。
「まア、啓吉、また来たのかい?」
前掛で濡れ手を拭きながら出て来た寛子は、目立って鮮かな頬紅をつけていた。
「姉さんはとうとう都おちだぜ」
「都おち?」
「落ちゆく先きは九州相良とか何とかいわなかったかね。――とうとう、水商売が身につかずさ、九州へ行っていったい何をするのかねえ……」
二十六
「だけど、それは本当でしょうか?」
「本当にも何にも、ほら、これを見て御覧よ。ええ? 拾円札封入してあります。よろしくお願いしますさ。姉さんにすれば、啓坊だって可愛いさ、腹を痛めて産んだ子供だものねえ……」
「可愛いければ何も……」
「連れて行けばいいっていうんだろう。だけど、姉さんにすれば身は一つさ、子供だって可愛いが、連れ添ってみれば御亭主も可愛いとなったら、君はどうする?」