Japanische Klassiker mit Furigana
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りゅうせんスパイ
流線間諜
海野 十三
Lesen Sie 流線間諜 (りゅうせんスパイ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.982 Zeichen · 70 Bildschirme
するとゴトリという音がして、その重い鉄格子が少しもち上った。帆村の元気は百倍した。下に落ちては大変だと気を配りながら、満身の力を奮って、鉄格子を押しあげた。格子は彼の想像どおり、ズルズルと横に滑っていった。
戯れ画か密書か?
「ウン、占めたぞ!」
帆村は元気を盛りかえした。穴の縁に手をかけると、ヒラリと飛び上った。そこはやはり孔の中であった。横に伸びた同じような穴だった。しかし今までの穴とは違い、なんとなく、娑婆に近くなったことが感ぜられた。
そこで彼は、何か物音でも聞えるかと、全身の神経を耳に集めて、あたりを窺った。すると、微かではあるが何処からともなく、ボソボソと話し声が聞えてくるではないか。彼の勇気は百倍した。
飛んでもゆきたいところを、帆村は敵に悟られないように注意をして、芋虫のようにソロリソロリとその方向に進んでいった。空気管は、やがてグルリと右へ曲っていたがその角を曲ると、彼は、
「ウム……」
と呻って、石のように固くなった。五メートルと離れないところに、鉄管の一部が明り窓のように黄色く輝いているのだった。よく見ると、それはさっき彼が押し上げたのと同じような円い鉄格子が嵌って居り、そして下から光がさしているのだった。