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Japanische Klassiker mit Furigana

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りゅうけつせんにしへいく

流血船西へ行く

山本 周五郎

Lesen Sie 流血船西へ行く (りゅうけつせんにしへいく) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.026 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

多くの殺人を犯したのはこの鋼鉄の鉤であったのだ。そして浦島丸は、流血船の秘密を探知したために、全員虐殺のうえ沈められたという事である。

「すばらしい手柄だ」

帰航の途につきながら、船長は伊藤青年の手を固く固く握緊めて云った。

「だが夫にしても、――どうして彼の船底に隠れていた事が分ったのかね」

「偶然ですね、全くのところ偶然です」

伊藤青年は会心の笑をうかべながら、

「あの海坊主を射った時、ちょっと霧が切れて、流血船が判きり見えたでしょう? 船長、あの時僕は、流血船の吃水がいやに深いのに気がついたんです。荷物も無し人もいないのに、吃水はまるで貨物満載の船ほど深くなっているんです、――それが発見の緒口でした。船内に何もなく、然も船があんなに深く入っているとすれば、船底の下に重量が懸っているに違いないと……」

「偉い、遉に無電技師だけあって観察が細いぞ、遉の俺もそこ迄は気がつかなかった。――今度は全く君に手柄を樹てられたよ」

船長は頼もしそうに伊藤青年を見守った。

「ただ残念なのは……浦島丸の危急に間に合わなかった事です。――親友の川本を死なした事です……」

伊藤次郎の眼にふっと涙が浮んだ。