Japanische Klassiker mit Furigana
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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
Lesen Sie 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.009 Zeichen · 249 Bildschirme
進退谷る!
杉田二等水兵の病室では、中国人の硝子屋に変装している川上機関大尉が、器用な手つきで窓硝子の入替えをつづけている。
室内では、リット少将が、看護婦マリーの怒ったりわめいたりするのをしきりになだめている。
梨花は扉のそとに小さくなっている。
杉田二等水兵は、上官の正体が見破られはしないかと、ベッドの中ではらはらしている。しかし川上機関大尉はおちつきはらって、窓枠に硝子板をはめて、パテをつめている。
そこへ駈けこんできたのが、スミス中尉であった。スミス中尉が駈けこんでくる時には、きっと一大事が起っているものと考えてよい。リット少将は、またかというような顔をして、看護婦の肩から手をはなした。
「閣下、一大事でございます」
「どうもそうらしいね。労働者がさわぎだしたとでもいうのか」
「いえ。そんなことではありません、香港経由の東京電報です。これをごらんください」
と、スミス中尉はリット少将の前に、数枚の紙片をさしだした。
窓枠にのぼっている川上機関大尉の眼がぎょろりとうごく。
「うーむ、――」
とリット少将は紙片を見つめたまま、ひくいうめきに似た驚きの声をあげた。