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Japanische Klassiker mit Furigana

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うきよえがかのにくひつ

浮世絵画家の肉筆

上村 松園

Lesen Sie 浮世絵画家の肉筆 (うきよえがかのにくひつ) von 上村 松園 (うえむらしょうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.867 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

むろんこんなのは、その時分の巧者な作者の筆に成ったものであることはいうまでもありますまいが、誰の作なんだか分りません。中には想像のつくものもないではありますまいが、結局想像は想像に過ぎません。いいものは落款の有無には関わらないことです。

一たいに、見た感じを率直に申しますと、どうも浮世絵画家の筆は、やはり上木された結果のもの――すなわち錦絵になったものの方が、数等結構なものに思えます。春信でも英之でも歌麿でも、どうもその肉筆物は錦絵で見るような、あの魅力がないようです。やはり浮世絵画家の筆は錦絵の上で賞玩すべきものだと私は思います。

○

錦絵のもつあの艶美な夢心地のような韻致――と申しますか、匂いと言いますか、人の魂に滲みこんでくるあの柔かな迫力は、どうも肉筆には見られないのでした。前に申しました春信、英之、歌麿に限らず、すべての浮世絵作家の筆は、錦絵に比べて、ずっとサバけたものでして、色彩なども錦絵のもつ、あんな妍雅な味わいがないようで、いったいに堅い気持に受けとれるのでした。

ですから、錦絵を見た眼で肉筆を見ると、とんと何か勝手が違うような気持にならされて、「まあ、これが春信かいなア、歌麿かいなア」