Japanische Klassiker mit Furigana
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ふどうするちか
浮動する地価
黒島 伝治
Lesen Sie 浮動する地価 (ふどうするちか) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.079 Zeichen · 29 Bildschirme
人の悪い、目さきのきく、敏捷な男が、うまいことをやった。薪問屋は、石炭問屋に変り、鶏買いは豚買いに変った。それでうまいことをやった。いつまでも、薪問屋ばかりをやっている人間は、しまいには山の樹がなくなって、商売をやめなければならなくなっていた。薪問屋は、中間搾取をやる商売だ。しかし、そこからさえ、ある暗示を感じずにはいられなかった。
親爺は、やはりちびり/\土地を買い集めていた。土地は値打がさがった。自作農で破産をする人間、誰れもかれも街へ出て作り手がなく売りに出す人間、伊三郎が、又、息子の学資に畠の一部を売る場合――秋に入ると一と雨ごとに涼しくなる、そんな風に、地価は、一つの売出し毎に、相場がだん/\さがった。
そんな土地を、親爺はあさりまわって買った。僕はそれを好かなかった。親爺は、買った土地を抵当に入れて、信用組合からなお金を借り足して、又、別の畠を買った。五六口の頼母子講は、すっかり粕になってしまっていた。
頼母子講は、一と口が一年に二回掛戻さなければならない。だから、毎月、どっかの頼母子が、掛戻金持算の通知をよこして来る。それで、親爺の懐はきゅう/\した。