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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふどうするちか

浮動する地価

黒島 伝治

Lesen Sie 浮動する地価 (ふどうするちか) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.079 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

「こんなへんぴへ二つも電車をつけることはないだろう。」

「ふむ。それは、そうじゃ。」

人々は、新しい杭が打たれて行くあとへ、神経を尖らしだした。敷地は、第一回の測量地点から、第二回の測量地へ変更されることになったのだ。

はじめの測量には、所有地が敷地に這入っていたのに、今度は、はずれている。そんな地主や自作農もあった。はじめは、四カ所もはいっていたのに、今度は、一坪もふれていない。そんな者もあった。恐慌が来た。うまい儲けにありつけると思って、田を荒らして、待ちかまえていた。それだのに、そのあてがはずれてしまった。呆然とした。

新規の測量で、新しく敷地にかゝったものは喜んだ。地主も、自作農も、――土地を持っている人間は、悲喜交々だった。そいつを、高見の見物をしていられるのは、何にも持たない小作人だ。

「今度もみんごと、家にゃ、四ツところかゝっとる。」と、親爺は、胸をなでおろした。「しかし、先の方が痩地ばかり取って呉れるようになっとったのに今度は分が悪るなっとるぞ。それに、こうかえられては、荒らした畠を、また作れるように開墾するんがたいへんじゃ。」

線路を、どうしてわざと曲りくねらすのか、それが変だった。