Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
水夫たちは、一本のロープを持って、ボートの下へ仰向けにもぐり込んだり、ボートの外側――そこはデッキ板一枚の幅しかなくて、海面まで一直線にサイドなのだ――に、今縛りつける、そのボートにつかまって綱をからげるために、サイドへ足を踏んばって、海の方へからだを傾けたりした。
ボースンは、すぐ前のブリッジから、船長が作業を見ていたために、その禿げた頭を、章魚のように赤くしてあわてたり、怒鳴ったり、あせったりした。
四
陰欝な薄暗がりが、海上にはい出たために、右舷に尻屋岬の燈台が感傷的にまたたき初めた。荒れに荒れる海上に、燈台の光をながむるほど、人の心を感傷的にするものはない。この海の上は、今にもわれわれの命を奪おうとするほど暴れ、わめいている。そして、われわれの家は宙天から地底へまで揺れころぶ。そこには火もなく、灯さえもない。だのに、あそこには燈台が光る。その燈台は、しっかりと地上に立っていて、そこには家族がある。団欒がある。愛すべき子供がある。いとしい妻がある。そこには火鉢があるだろう。鉄瓶がかかってるだろう。正月の用意の餅が搗けてあるだろう。