Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
といった調子を含めていった。
「どうしたんだ。大変おそいね、便所が」と、小倉は女にきいた。
「あら!」と女はわざと驚いて見せて、「もうおやすみになったんだわ、あなたまだ厠にいらっしゃらない」
「もう幾時ごろだろう」
「三時よ、もうじきに。やすみましょうよ。ね」
「だけど、僕今夜じゅうに船にあの男と一緒に帰らなけれゃならないんだがなあ」小倉は困ったようにいった。
「なぜ? 私がいやなの。だったら私代わってもいいわ。そんなこといわないでね。後生だわ」
女は、小倉が自分をきらって駄々をこねるんだと思って、困り切っていた。
「ねえさん。間違っちゃいけないよ。僕、ねえさんが、きらいでなんかありゃしないんだよ。ただ、船長がね、今夜じゅうに船に帰れといって、帰っちゃったんだよ。それにね、船じゃあ、みんなが、この暴化だろう、だから気づかって待ってるだろうと思うんだよ。船長のいうことは、僕はどうでもいいけれど、船にいる僕たちの仲間はね、寝ずにいちゃ気の毒だろう。だから、あの男と二人で夜の明けないうちに帰りたいと思ってるんだけどね」
「じゃ、あたし、そんなわけならあの人にきいて来て上げますわ。