Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
そして寝物語に、ねえさんのほんとの恋人の話でも聞こうよ」といって、さびしく気の毒そうに小倉は笑った。
「まあ!」と立って床を延べようとしていた女は、急に小倉の膝の上につっ伏した。そして泣き入るのだった。小倉はびっくりした。
「どうしたの。一体、え、そんなに帳場に都合が悪けりゃ一緒だって、ちっともかまわないから、泣くのはおよしよ。ね」
小倉は女を起こそうとした。女は起きなかった。そしてなおも泣き続けるのだった。
「およし、ね。泣くのはもうおよし。どんな、苦しい事情があるか知らないが、聞かなけりゃわからない。泣くほどの事があるんだったら膝とも談合ってこともあるから、僕にでも話して気が紛れないこともないかもしれない。とても力にゃなれまいけれど、もし役に立つことがあったら、役に立つから、泣いてばかりいないで、話してごらんな。ね、僕明日の朝早く帰らなきゃならないんだからね。また二、三日か四、五日は碇泊してるから、毎日にでも来るから、ね。サア床を敷いておくれ」といって、小倉は女をその膝の上から抱え起こした。
「ええ、今、床を敷くわ、ちょっと待っててね、片づけるから」