Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
だけどもね、私たちの家に、私たちの肉以外のものを、まるで坊っちゃん見たいな、素直な気持ちで求めに来たあなたには、私たちの気持ちはわからないでしょうね。
私たちはね、あなたのような人を見ることはないのよ。監獄にはいってる女の人が、男の人を見ることよりも、もっともっと、ずっと、私たちがあなた見たいな人を見ることの方が少ないのよ。それはね、男の人は、皆獣だからなのよ。
ええ、全く獣なのよ。私はそう断言できてよ。だけどね。それや男の人の罪でもないんだわ。それはね、神様や仏様の罪なんだわ。そうでしょう。ね、自分で人間を作って置いて、自分でこれはいいあれは悪いと決めて置いて、そして、自分の作った人間を、自分の作った罪悪の中へ、まるで陥穽にでも落とすようにして、はめ込んでしまうのは、それや神仏の責任だわ。だから、私のこわいのは、神仏じゃないの」
「じゃ何がこわいんだね」小倉は眠くてたまらなかったが、女の珍しい言葉につい興奮さされて起きていたのだった。
「私寒いから、あなたのそばへはいってもいいでしょう。ね、ただはいるだけなのだから、ね、いいこと」
といいながら、女は帯も解かずに小倉の寝床へはいって来た。