Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
だが、あの時おれはけがをしたっけ。そして休んだっけ」それから、彼の哀れな、疲れ切った意識は、彼を暑中休暇の田の草とりから、彼を厳寒の万寿丸へ引き戻してしまった。そして彼はまたうめきもだえ狂わねばならなかった。
彼はその疼痛の絶頂においては、感ずるのであった。
「こんな苦痛をハッキリ味わわねばならないってのは、何て惨酷なことだろう。それよりも、もっとひどい苦痛を、もっとぼんやりの方がいいのに」などと、会体の知れぬことを感じるのであった。だがしかし、必要もないのに、彼に、これほど長い間苦痛を、わざと見せつけることは、明らかに、船長の冷酷から来たことであった。
船には、その船に対して、会社から、傷病費の予算が請求に応じて提供されてあるのだ。だがそれは、高級海員の家族の病気療養費、あるいは特別収入といった方が正当であった。そして、このための支出から、かくのごとき場合の負傷は、船長によって「節欲」せられるのであった。
船における一切の事は、船長だけがトルコの回々教の殿堂内における、サルタンと同様に知っているだけであった。より緊密でないことが高級海員に知られていた。