Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

「ぜひお目にかかりたいといっています」

「だめだ! 時間がないんだ!」船長は鏡の中の自分に見入っていたが、チェッと舌打ちをした。

「うるさいやつらだ、用事は何だときいて見ろ」ばか野郎めらが、と、彼は考えの中でつけ足した。――手前たち全体の運命は横浜までだ。代わりのボースンはもう横浜まで来てるんだのに、ばか野郎らが――船長は蛆虫どもの低能さに対して、ちょっと冷やかしてやってもいい、という気を起こしたほどであった。

「ボーイ長の負傷の手当てをするために、室蘭公立病院へやっていただきたい、というのだそうでございます」

「ボーイ長! そんなものはだめだ、と、そういっとけ」何だ一体ボーイ長の負傷とは、ばかな。そんなものは船の費用から出せるかい。べら棒な。冗談も休み休み、機を見ていうがいいんだ。時もあろうに、自分らの首の運命の決していようという時に。それに今は上陸間ぎわじゃないか、ゴロツキどもめが! 船長は、ボーイ長が負傷をしたことを、今、言われて見て、思い出すには出したのであった。そして、それは手当てをしなければならないであろう。――が、――それはこんな場合ではもちろんないはずだ! と彼は思ったのであった。